僕は仙人になりたいだけであって、それ以上でもそれ以下でもない

僕は仙人になりたい。わりと本気でそう思っているのだけど、僕のこの夢を聞いてきちんと理解を示そうとしてくれる人はほぼいなかった。

 

なんか先輩面吹かせた年上の人が「キミ将来何になりたいの?」みたいなことを聞いてきて、それはたぶんキャリアプランのことだと思うのだけど、そういうことを聞いてくる人に限って別に上司でもなければ僕のおぼろげなキャリアプランに全くかすらないような、要するにこの人に自分のそういうものを話しても何の意味もないなという人であることが多い。そういう時に、キャリアプランではなく生き様的な夢として「仙人になりたい」と答えることにしている。

 

で、それを聞いた人もそうだし、この文章読んだ人もそうだと思うけど、だいたい「どういう意味?」という質問が続く。「仙人になりたい」だけではわからない、「仙人」とはどういう人?みたいな深掘りをしようとしてくる。

自分はこれが嫌いで、なんで深掘らなくていいものを深掘ろうとするのかと思う。自分にとって将来の夢というか生き様というかそういうアレはかなり言語化しづらい。別に「世を捨てて山里で暮らしたい」とかそういう具体的な像があるわけではないのだ。ただなんとなく自分が「こうありたい」と思う様々な何かを集めて、自分の中で一つの言葉に収斂させたときにしっくりくる言葉が「仙人」だった、というだけなのだ。だから自分は仙人になりたいだけであって、それ以上でもそれ以下でもない。ここで言う「仙人」という言葉は何か他の事物を表象するものではない。

 

けど他の人にはそんなこと知ったこっちゃないから、「もっと具体的に聞かせろ」という無理難題を浴びせてくる。そもそも、みんな自分の将来の生き様みたいなやつをそんなに明確に定義しているのか?そんなことができるのか?もしそうだとしたら、その目標に向かって明確な努力をしているのだろうか?もしそれが達成できないと感じてしまったとき、その人はどうなってしまうのか?

そんなことを考えると恐ろしくて人の生き様を深掘るなんてなかなかできないのだけど、あんまりそういう人を見かけたことがないので自分くらいなのかもしれない。

 

これと同じ話が「異性のタイプ」というやつでも発生する。

2017年2月現在28歳でパートナーもいない身分であるため「彼女作んないの?」という質問を年上から年下から各方面から頻繁にされるのだけど、その都度めんどくさいから「いや~ほしいんですけどね~ははは」とか適当に流していると「どんな女性がタイプなの?」と聞かれる。だいたい聞かれる。

異性のタイプなんてそんな一言で表現できます?というか自分がどんな女性を好むかなんて、自分で説明できます?まったくできないんですが。。

そういうときに上の生き様と同じような感じでひねり出した自分なりの答えが「元気でかしこい女性が良いです」というものなんだけど、だいたいの場合「かしこいって何よ?」ってツッコまれる。いい加減にしてほしい。こっちが聞きたいわ。

 

 

というわけで皆様におかれましては、無理にすべてを言語化しよう/させようとせず、論理的議論・補強が必要なところだけ言語化に勤しんでいただけますと幸いです。