cradles -写真美術館- (設計演習)

建築学科三回生時作品。2009年。図面・パース内で使われている写真は全て川内倫子写真集『the eyes, the ears, 』『うたたね』『Cui Cui』より出典。

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写真家 川内倫子氏の写真作品14点を展示する写真美術館の構想。彼女の撮る写真は日常を切り取ったものでありながら、それを見た人をどこか非日常を思わせる穏やかで静かな世界へと連れて行ってしまうような力を持っている。この写真美術館は、ただその世界へと吸い込まれていくためだけの場所である。

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形態の考え方

川内倫子の作品14点を、その写真が撮られたであろう時間帯によって朝・昼(夜)・夕の3種類に分類する。

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それぞれの写真にひとつずつ展示室を与える。それぞれの展示室は立方体で包まれ整列し、その隙間が展示室に至る経路となる。

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展示室には、写真に与えられた分類ごとに異なる方角へ開口が空けられる。朝なら東、夕なら西。写真が撮られ他であろう時間帯になると展示室内に直接光が差し込んでくる。

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写真が撮られたであろう時間帯になると、そのときにカメラがとらえたのと同じ角度で光が展示室に入る。写真の世界と現実の世界の光が一致し、鑑賞者はまるで自分が写真の中に吸い込まれてしまったかのような感覚を覚える。

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展示室を内包する立方体は全て、それぞれが一つの世界である。

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